渡辺准教授がWorld Architecture Community 23cycleにてWinnersのひとりに選ばれました

2016年9月23日(金)
投稿部門毎に優れた建築デザインを選出する「World Architecture Community」において、この度REALISED(実現した建築部門)でシステム工学群 環境建築デザイン研究室 渡辺 菊眞 准教授が、佐岡プロジェクトで建設した「金峯神社の仮拝殿」が選ばれました。

佐岡プロジェクトにおいて、古民家周辺にある金峯神社が危険な状況で崩落しかけています。

現在の社殿を早急に修復するため、今回一時的に仮拝殿を古民家周辺に設置し、御霊を遷座しました。

この拝殿は、少しのお金と限られた材料で基礎からすべて組み立てています。
チームは渡辺准教授と、その研究室の学生メンバー10人だけで、なんと5日間で、足場用スチールパイプ、高知産の杉の垂木と厚板で仮拝殿をつくりあげました。

資材はふもとから徒歩で担いで運び込み、現場には電気も通っていないので、建築資材を極力カットしなくて済むように、部材を徹底して規格化するなどの工夫がこの早期の完成を実現させました。

神社の三角形の形状は、神聖な山をかたどるだけでなく、それにつながるトンネルを象徴しています。また構造的にもとても安定したかたちで、構造検討の結果、骨組みは地震や台風にも耐えられる強度をもっています。
2016年10月10日に神祭を住民と高知工科大学のメンバーによって開催する予定です。
渡辺 菊眞 准教授は
「地域や、建築のジャンルを問わない全世界の建築賞で、ザハ・ハディドなどの世界トップのスター建築家の作品も並ぶなか、日本の過疎地域の問題に向き合いながら、どうにか神社を守りたいという思いと、その一方で資材をかついで運ばねばならない極限状態での建設の成果が、このように評価されたことは素直に、とてもうれしく感じていますし、今後の佐岡地区での取り組みへの励みにもなります」と語っています。