ものを測るということは,何事においても基本となる作業です.また科学の出発点でもあります.ヨハネス・ケプラーは,天体の動きに関する法則を発見しましたが,その功績の裏では精密に天体の位置を測ったチコ・ブラエの成果が貢献していました.現在も理学や工学の分野において,精密な計測というのは,極めて重要なテーマとなっています.
技術の進歩に伴い,現代では簡単で精密な計測が可能な測量機器が数多く利用できます.しかし,屋外の様々な現場において測る場合には,セッティングや視準の状況によって精度が変わってきます.特に精度を追求するならば,測量方法ごとに適切な誤差の調整法も習得している必要があります.精密な測量を実現するためには,多くの問題をクリアしなければなりませんが,それにチャレンジすることは,技術力の向上につながりますし,非常にやりがいのあるものです.
2006年に高知県内の工業高校の先生方と懇談した際,技術と知恵を結集させた測量コンテストを企画したいとのご意見を伺いました.そこで,高知工科大学において実施することとしました.土木を学んでいる学生さんや,測量のプロの方だけでなく,一般の人のご参加も期待しています.測量を通して,数学の面白さを体験していただければ幸いです.
測る対象物
毎年,対象物を変えています.高さや,長さ,面積などが対象となり,2018年からは,動いているものも対象となっています.
審査部門
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1. 精密機器使用部門: トータルステーションやトランシット等の測量機器及び,キャリブレーション(レンズの歪み補正)を行ったデジタルカメラを用いる場合がこの部門となります.測角精度が0.1度未満の機器は,すべて精密機器と見なします.測量精度を重視して審査します.
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2. 自作機器使用部門: ホームセンター等で購入できるものを組み合わせて測量に使う部門です.測角精度が0.1度以上の機器であれば,組み込んでもかまいません.測量のアイディアを重視して審査します.