Step3 

Step3の課題「KAGAMINO Follyの設計」

 Follyとは東屋、あるいは「無用の空間」を意味します。特定の機能はもちませんが、その空間があることで、時にそこで憩い、時にそこで遊び、時にそれが彫刻となり、風景に刺激をあたえます。このように、機能がないことで、かえって自由度の高い魅力的な空間となるのがFollyです。
 今回は立方体をFollyの原型空間として仮定します。ここに切り込みをいれ、折まげていくことで箱はどんどん姿を変えて、自由にのび広がる、立体へと変身するはずです。その造形実験の果てに、とうとう「これだ!」と思う空間ができるでしょう。その「これだ」という空間こそ、あなたが目指すべきFollyです。
  Follyの形がきまったら、今度はそれを鏡野公園内に設置しましょう。どんな場所、どんな地形に、あなたのFollyを置くと魅力的なのか、その視点からFollyの設置場所を決めてください。こうして鏡野公園にピタッとはまる素敵なFollyができる時、それがKAGAMINO Follyの完成となります。
  あなただけの工夫がつまった、みんなにとってワクワクするような、そんなKAGAMINO Follyを設計してください。
 Follyをググってみると、いろいろと面白い事例がヒットします。
 事例1 事例2 事例3 事例4 事例5 事例6 事例7
 

設計条件

  • 敷地は大学南側の鏡野公園の西側区画とします(下のGoogleMapの赤い線で囲んだ範囲)。この範囲で建てたいと思う場所を選定してください。

     
  • フォリーに関する条件
    • 後述する制約条件の範囲内で自由に考えてください。
    • 提案するフォリーに応じて、階段等を適当に付加してください。

 


Step3-1 スタディ模型の準備

  • 一辺が4mとなる立方体の1/50模型(一辺8cm)を3つ作成すること。
  • ケント紙で作成し、1cm間隔で補助グリッドを引いておくこと。
     
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Step3-2 スタディ模型の作成

  • 自分で構想し、空間をつくりましょう。気に入るものができるまで、何度もチャレンジしてください。試行錯誤を繰り返すのがスタディ模型の役割です。
  • 準備してきた8cm角の立方体を加工してスタディ模型を、少なくとも1つ作成する。
    • 立方体はあらかじめ引いてあるグリッドに沿って、切る、折ることとする。線以外の箇所を切ったり、折ったりしてはならない。
    • 折りは全て直角を保って折り曲げること。
    • 立方体の角の折り目を延ばしても良い。
    • 立方体の8つの面のうち、少なくとも4面には切り込みや折り目をいれること。立方体から開放された自由に伸びあがるような形状になっても構わない。
       
  • 提出方法

 


Step3-3 スタディモデルからの三面図作成

  • 平面図
    • 作成したスタディ模型の平面図を描く高さ(水平の切断位置)を決めてください。切断位置はグリッド線 の水平線を選ぶことで決めましょう。
    • 背の高い建築や、床が上下にある場合は、複数の切断位置を決めても良いです。
    • 位置を決めたら赤ラインで模型に水平線を書き込んでください。その位置で切断した
      図を平面平面図とします。
    • 縮尺1:50で方眼紙に描くこと。
    • 切断面は太い線で、切断面の奥に見える部分は細い線で表現する。
    • 切断位置と床面が同面の時は切断位置が、床面より少し上にあるものとして描きます。

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    • 全ての方眼紙に学籍番号を記入すること(氏名は不要です)。
  • 断面図
    • 作成したスタディ模型の断面図を描く位置(垂直の切断位置)を決めてください。切断位置はグリッド線の垂直線を選ぶことで決めましょう。
    • ひとつの断面でわかりづらい場合は複数の切断位置を決めましょう。
    • 位置を決めたら、青ラインで模型に垂直線を書き込んでください。その位置で切断した図を断面図とします。
    • 縮尺1:50で方眼紙に描くこと。複数枚になってもOKです。
    • 切断面は太い線で、切断面の奥に見える部分は細い線で表現する。
    • 切断位置と壁面が同面の時は切断位置が、壁面より少し手前にあるものとして描きます(上の平面図の説明図と同様です)。
    • 全ての方眼紙に学籍番号を記入すること(氏名は不要です)。
       
  • 提出物
    • 模型ビデオ
      ターンテーブルに載せて動画を撮影し、YouTubeに公開(又は限定公開)して、共有URLをSlackに投稿すること。動画は、用意しているターンテーブルに乗せて撮影です。スタディ模型の全体像が分かるように、2回転した動画を作成してください。


       
    • 平面図と断面図
      図面の写真をスマホで撮影して、GoogleDriveに保存し、共有リンクをSlackに投稿すること。
      下のサンプルには、学籍番号が抜けていますね(^^;)

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Step3-4 スタディ模型と図面の相互添削

  • 用意するもの
    • スタディ模型と平面図、断面図
  • スタディ模型と平面図、断面図のチェックを学生相互で行います。
    • 2〜3人でチームを組み、相手の模型と図面をチェックします。
      やり方は、相手の模型をみて、方眼紙にフリーハン ドで平面図、断面図を描いてみて、それを作者の図面と比較します。違いがある場合は、それが何によるのか議論してください。
    • 分からないこと等は、TAや教員に質問してください。
  • 添削のチェックポイント
    • 線の太さ
      切断面は太い線で、切断面の奥に見える部分は細い線で描いてあるか?
    • 模型と図面の整合性
      細線がどこの壁や床を指しているかはわかりづらいです。相互チェックでは、作者が、細線がどれを示したものかをチェック者に伝えてください。
  • チェックが終わったら、添削者の学籍番号を「添削者:1250987」のように赤ペンなどで記入します。
     
  • 提出物

 


Step3-5 平面図と断面図をダブルライン化する

  • 先の課題では壁や床を1本の線で描きました。これをシングルラインと呼びます。次に、シングルラインを芯線として、壁や床の厚さを描きます(これをダブルラインと呼びます)。
     
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  • 壁厚、床厚は150mmとします。
  • 切断面は太い線で、切断面の奥に見える部分は細い線で描きます。
  • 縮尺1:50で方眼紙に描くこと。複数枚になってもOKです。
  • 上の説明画像はシングルラインとダブルラインが両方書いてありますが、提出物はダブルラインの図面のみで良いので、平面図と断面図を1枚に含めてもOKです。
  • 図面作成者の学籍番号を全ての方眼紙に記入すること(氏名は不要です)
     
  •  提出物

 


Step3-6 プレゼン模型の作成

 


Step3-7 図面の作成とプレゼン資料のまとめ

  • 最後の仕上げとして、図面や設計意図をA3用紙に美しくレイアウトして、プレゼン資料を作成します。
  • 鏡野公園の図面をここからダウンロードして利用してください。
  • 図面の枠は下の画像の通りに各自で作図してください。
     
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提出物

  • プレゼン資料
    • 以下をA3サイズ1枚の資料にまとめ、PDFファイルを提出してください。
      • 配置図 S=1/2000
        図面名称、縮尺、方位、スケールバーも明示すること。フォリーの設置位置に◎を描くだけで、そこに1/2000の図面は不要。
      • 平面図 S=1/100 
        幾つかのレベルで平面を示すこと。図面名称、縮尺、方位、寸法、断面線、斜め方向立面指示を記すこと。
      • 断面図二面 S=1/100
        設計意図がわかる断面を切ること。図面名称、縮尺、寸法、GLライン(極太線)を記すこと。
      • 立面図二面 S=1/100
        2面のうち、一面は面に対して斜め方向から見た立面図とする(その向きを平面図に示す)。図面名称、縮尺、GLライン(極太線)を記すこと。
      • 設計主旨
        以下の3つの項目で、計画した空間の意図を文章で簡潔に書いてください。
        1. 目指す空間のあり方
        2. 敷地選定の理由
        3. フォリー完成後に期待する使われ方や魅力について
      • タイトル
        自ら銘々したタイトルを、図面枠内左下につけること。
    • 原則としてA3サイズ1枚ですが、どうしても入らない場合は2枚になってもOKです。
    • ファイル名は「学籍番号-Step3-7.pdf」にしてください(例:1234987-Step3-7.pdf)。
       
  • Jw-cadのファイル
    • レイヤーは、以下の3つは必ず分けること。平面/断面/立面などは各自で適宜レイヤ分けして良い。
      「図面枠」(縮尺1:1)
      「配置図」(縮尺1:2000)
      「平面・断面・立面図」(縮尺1:100)
    • 線種、文字等は各自で適宜調整すること。
    • ファイル名は「学籍番号-Step3-7.jww」にしてください(例:1234987-Step3-7.jww
       
  • プレゼン模型の動画
    Step3-6で作成したものと同じで良いので改めて提出する。プレゼン資料作成中に模型を変更しても良い。

  

提出先

 


成績評価

  • 評価項目
    Step3-7の成果品について、下記を総合的に評価します。1〜8の順に上のほうほど重要視します。3-1〜3-6までの提出物は、試行錯誤中ですから評価しませんが、提出していない場合は減点があり得ます。
      1. 必要な提出物等が揃っているか
        平面図、断面図、立面図、配置図、設計趣旨、枠線など
      2. 模型と図面の整合性がとれているか
        デザインしたフォリーを正しく3面図に描けているか。
      3. 正しく図面が描けているか
        線の太さや種類の使い分け等
      4. 方位、寸法、縮尺、断面位置、基準線、図面タイトルなどの標記が抜けていないか
      5. レイアウトの整列と美しさがあるか
      6. 設計趣旨の文章の内容と明快さ
      7. 設計したフォリーの創意工夫や魅力
      8. 模型の美しさ

 

  • 評価の目安
    • 60点 期待を超えて優れた出来映え。
    • 50点 評価項目全てについて、しっかりと仕上がっており、欠点がほとんどない。
    • 40点 やや欠点が有るが、頑張っている部分もある
    • 30点 堅実だが、冴えもない普通の仕上がり。
    • 20点 とにかく何でも良いから出しましたという感じ。
       
    • Step3-1〜3-6までの提出物を提出していない場合は評価が下がる場合があります。
    • 締切に遅刻した場合や、ファイル名が間違っている場合、提出場所が間違っている場合などは評価が下がる場合があります。