エージング
 建築・土木構造物の「長寿」という特徴を踏まえ、文化遺産として相応しいものを造るためには、「エージング aging」について良く考えることが大切です。agingとは、「年をとること」の意ですが、景観デザインでは、「時間の経過によって、構造物などが古びて味わいが出てくること」をいいます。

熊井トンネル(佐賀町 高知県)

流行の先端を行く服飾デザインでは、発売したときが最高の品質を持っていることが重要です。数年(あるいは数カ月)して、流行が変わったときには、価値が下がってしまいますが、それでも構わないのです。
しかし、建築・土木構造物は、長く使用するものですから、数年経っただけで、みすぼらしくなってはいけません。多少傷ついたり、汚れたりしても、あまり見苦しくなく、むしろ味わいが深まるようなデザインとすることが必要です。

そのためには、まず、飽きのこないデザインが大切です。写真は、極端な例ですが、左のデザインは、すぐ飽きてしまいます。右の方が飽きのこないデザインという点では、優れています。

福岡県北九州市・太陽の橋              広島県広島市・鶴見橋
  

こちらも、左より右の方が優れています。

長崎県小長井町                    パリ フランス
   


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高知工科大学工学部社会システム工学科 重山陽一郎 shige@infra.kochi-tech.ac.jp