日常・非日常

この街路は、祭りの時に中央をパレードし、歩道に桟敷を組んで客席とします。
広い歩道を設け、街路樹を歩道の中央に植栽することにより、祭りに使いやすい空間がデザインされています。
 

非日常的なものを、日常の中に固定してしまうのは、避けることが賢明です。
祭りなどは非日常的であるからこそ魅力があるのであって、もし同じ祭りが毎日行われれば、すぐに見飽きてしまいます。この人形も毎日眺めていれば何の魅力もないものになってしまいます。
これが観光客向けのものであるとしても、これによって観光客に祭りの魅力、都市の魅力が伝わるとは思えません。このような人形は、実際の祭りの面白さに遠く及びません。

この駅前広場は、最初から、イベントなどの非日常の利用を意識してデザインされました。
噴水を止めると平坦な広場になり、様々に利用されます。

例えば、野外コンサートに利用されます。フリーマーケットになったり、ビヤガーデンになることもあります。

同じ空間でも、日常的な場合と、イベントのような非日常の場合では、私たちは、全く異なる魅力を感じます。
 

防波堤などに、幼稚な絵が恒久的に描かれる場合がありますが、決して良いことではありません。これらが、イベント的なもので、季節がすぎれば撤去されるのであれば、評価できるのですが...

一時的であり、非日常のことであるということが、イベントの魅力の大切な点です。


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高知工科大学工学部社会システム工学科 重山陽一郎 shige@infra.kochi-tech.ac.jp