...らしさとは4

地元で手に入る素材を利用したデザインは、その土地らしさを表現するために適した方法です。
昔、人流・物流が盛んでなかった時代は、土地で手に入る資材、工法を用いる以外になかったので、結果として、その土地ならではの景観が生まれました。

木材を用いたアーケードとすることで、高知らしさを演出しています。

焼き物の街として有名な、佐賀県の伊万里の駅前には、陶製の人形が飾られています。伊万里らしさを表現しています。しかし、このような派手なオブジェを公共空間におくことには、慎重な検討が必要です。

安易な「らしさ」の表現は、その土地の文化レベルをおとしめることになりかねません。

地元の祭りを表現した人形ですが、安直だという謗りを免れません。
伊万里の人形のように、それなりの土台の上に設置されていれば、見栄えがしたかもしれません。
図と地について学びましたが、この写真では、ポストが目立ちすぎて、図になってしまい、肝心の彫刻が、図になりません。

動物園や遊園地の中であれば、遊び心を持ったものや、幼稚なものがあってもかまいませんが、
 

しかし、大通りなどの「格」の高い場所では、幼稚なデザインは控えることが望まれます。

地元が葡萄の産地であることから、このようなデザインがなされています。しかし、このような安易なデザインは、土地の文化を貶めるだけです。


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高知工科大学工学部社会システム工学科 重山陽一郎 shige@infra.kochi-tech.ac.jp