画像の再分類
NDVI等の指標を計算させたあと,それを単純化するためその指標にしたがってクラス分けをする必要が出て来たりする.また,実数で表現されたデータ同士を比較する場合は,そのままの状態では比較が困難なため,同様にクラス分けを行い整数値で表現しなおしたりもする.さらに,距離解析などを行う場合には,2値化されたデータが対象となるのが普通であるため,このための前処理が必要である.IDRISIでは,このような処理をRECLASSやASSIGNの機能で実行することができる.いずれも分類結果を単純化させたり統合するための機能と考えて良い.
- RECLASS
- 実数データやデータ階級の大きいもののクラス分けに使う.
- ASSIGN
- 整数データを対象に,既に分類されているものを結合させたりする場合に使う.
RECLASS
- RECLASSは,原画像の値の一定範囲ごとにある値へ置き換える機能を有する.原画像は,実数でも整数でも良い.なお,RECLASSによって出力されるファイルは必ず整数値となる.
- 例えば,NDVI計算結果をその値に応じてクラス分けする例を紹介する.例に用いたNDVI画像の値は,-0.4444〜0.6546の範囲にある.これは,画像の属性情報をMetadata表示の機能を用いて確認することができる.このような実数のデータを整数に変換しておくことは,カラー合成をする時などに有効となる.
- 「GIS Analysis」メニューの「Database
Query」の「RECLASS」選択する.すると「RECLASS」ウィンドウが開く.
- 「Type of file to
reclass」:画像を対象とする場合は"Image"に.
- 「Classification
type」:再分類の手法を選択
- User-defined
reclass:任意のクラス分けをする場合に選択
- 具体的には,○○以上××未満の値を△△の値とするようなクラス分け.クラスの数は任意に設定できる.
- Assign a new value
of:△△に相当.
- To all values
from:○○に相当.
- To just less
than:××に相当
- 右にある左右の矢印ボタンによって新規クラスを定義したり,既存クラスを編集したりできる.
- Save as reclass
file:チェックすると上で作成したクラス分けの定義をファイルに保存できる.
- Equal-interval
reclass:等間隔でクラス分けをする場合に選択
- Minimum value in
dataset:画像データの最小値
- Maximum value in
dataset:画像データの最大値
- Class width
にチェックするとクラスの幅を指定することができる.
- Number of Class
にチェックするとクラスの数を指定することができる.
- File
mode:クラス分けを定義するファイルがある場合に選択
- 「Input image」:入力画像名
- 「Output
image」:出力画像名(再分類後の画像ファイル名,新規ファイルとなる.既存のファイルと重複しないように注意.)
- すべてのパラメータを入力し,「OK」ボタンを押せば再分類が始まり,再分類後の画像が表示される.この例では,等間隔でクラス数を10として再分類を行なっている.再分類後のヒストグラムを見るとよく解る.
ASSIGN
- RECLASSは,一定範囲の値をある値に置き換える機能を有した.これに対してASSIGNは,原画像のある値を別の値に置き換える機能である.置き換えには,整数型から整数型だけでなく,実数型や文字型にも可能である.
- ここでは,10クラスに再分類されたNDVIの画像をASSIGNによってデータをより単純化する手法を例に解説する.具体的には,10クラスを0と1の2クラスに統合する手法である.
- まず,データを統合する手続きを定義しなければならない.拡張子がavlのファイルに,その定義をテキスト形式で書けば良い.ここでは,IDRISIのサポートするテキストエディタを利用した手法を解説する.
- 「GIS Analysis」メニューの「Database
Query」の「Edit」選択する.すると「EDIT」ウィンドウが開く.
- File name
を入力し,「保存」ボタンを押すと,「Values
File
Information」ウィンドウが開く.
- Data type for the new values
file:データ型を指定する
- データ型を選択し,「OK」ボタンを押せば,テキストエディタが開く.このエディタを用いて定義ファイルを作成する.
- 第1列に原画像の値,第2列に置き換える値を書き込む.値の変更が必要なものは,すべてここで定義しなければならない.但し,変更しないものは,この定義ファイルに書き込む必要はない.
- 定義ファイルの編集が終われば,「save」ボタンを押して保存し,エディタを終了する.
- 「GIS Analysis」メニューの「Database
Query」の「ASSIGN」選択する.すると「ASSIGN」ウィンドウが開く.
- 「Feature definition
image」:再分類の対象となる画像ファイル名を入力する.
- 「Attribute values
file」:先にEDITにて編集した,定義ファイル名を入力する
- 「Output
image」:出力画像名(既存のファイルと重複しないように注意.)
- すべてのパラメータを入力し,「OK」ボタンを押せばASSIGNが始まり,変換後の画像が表示される.この例では,カラーパレットをnvi16に変更して表示している.