画像分類


 リモートセンシング画像に代表されるマルチスペクトル画像は,様々なチャンネルデータを用いて,ある程度土地被覆の状態を分類することが出来る.IDRISIは実に様々な分類手法をサポートしているが,ここでは以下に示す分類手法について解説する

  • 植生指標(NDVI)
  • 最尤法分類
  • クラスター分類


植生指標(NDVI)

  • 近赤外領域のデータと可視の赤領域のデータがあれば,植生指標を計算することができる.これは,近赤外領域では植物が太陽光をよく反射するのに対して,可視の赤領域ではほとんど反射しないことを利用している.したがって,植生指標NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)は,近赤外領域のデータをIR,可視の赤領域のデータをVRとすると,次式で表される.
    • NDVI = (IR - VR) / (IR + VR)
  • NDVIの値は上の式より,-1〜1の範囲にあり,正の大きい数字ほど植生の濃い部分といえる.このNDVIをIDRISIで計算するのに,画像演算を利用することも可能だが,簡単な入力画面で計算さすことも出来るので,この手順を解説する.
  • 「Image Processing」メニューの「Transformations」の「VEGINDEX」選択する.すると「VEGINDEX」ウィンドウが開く.
    • 「Red Band」:可視の赤領域に相当する画像ファイルを入力する.
    • 「Infrared Band」:近赤外領域に相当する画像ファイルを入力する.
    • 「Output image」:出力画像名(植生指標の画像ファイル名,新規ファイルとなる.既存のファイルと重複しないように注意.)
    • 「Select the Vegetation Index to calculate」:植生指標は,NDVIだけでなくたくさんの計算方法が存在する.目的にあった計算法をを選択する.
  • すべてのパラメータを入力し,「OK」ボタンを押せば植生指標計算が始まり,植生指標画像が表示される.この例では,カラーパレットをnvi16に変更して表示している.
  • 注意:画像演算でも述べたようにリモートセンシング画像などの原画像は整数値であるが,画像演算によっては実数値が出力される.これは,掛け算や足し算によって1バイト以上のデータが発生したり,引き算によって負のデータが発生したり,割り算によって小数のデータが発生したりすることに対応するためである.IDRISIではこのような実数ファイルの表示に,quant256というカラーパレットが利用されている.quant256は,青から赤に至る色を256段階で表現できる.画像演算によって得られた実数ファイルのうち,最小値から最大値を0〜255番のカラーに自動的に割り当てて表示している.もし,このパレットが気に入らない場合は,パレットを変更したりパレットを新規に作成したりすることが出来る.例えばモノクロで表現するときには,Grey256に変更すれば良い.