画像演算


画像同士を演算させ,ノイズを軽減させたり,画像強調させたりすることが出来る.この画像演算を実行する場合には,同じ座標系で同じ対象地域,同じ空間分解能のデータでなければ演算できない.これらが異なる場合には幾何補正などをして一致させておく必要がある.リモートセンシング画像を代表とするマルチスペクトル画像は,各チャンネルデータがその条件を満しているので,画像演算が可能である.ここではIDRISIのサポートする画像演算について解説する.


オーバーレイ演算

  • オーバーレイ演算は,2つの画像同士を演算する.
  • 「GIS Analysis」メニューの「Mathematical Operator」の「OVERLAY」選択する.すると「OVERLAY」ウィンドウが開く.
  • 「First image」:第1画像ファイルを入力する.
  • 「Second image」:第2画像ファイルを入力する.
  • 「Output image」:出力画像名(オーバーレイ後の画像ファイル名,新規ファイルとなる.既存のファイルと重複しないように注意.)
  • 「Overlay options」:画像を演算さす計算式を選択する.
  • この例では,[First image] / [Second image]を演算している.
  • すべてのパラメータを入力し,「OK」ボタンを押せばオーバーレイが始まり,オーバーレイ後の画像が表示される.
  • 注意


スカラー演算

  • スカラー演算は,一つの画像に対して,ある一定の数値を加えたり乗じたり四則演算を実行する.
  • 「GIS Analysis」メニューの「Mathematical Operator」の「SCALAR」選択する.すると「SCALAR」ウィンドウが開く.
  • 「Input image」:第1画像ファイルを入力する.
  • 「Output image」:出力画像名(スカラー演算後の画像ファイル名,新規ファイルとなる.既存のファイルと重複しないように注意.)
  • 「Operation」:演算の計算式を選択する.
  • 「Scalar value」:演算さす定数の値を入力する.
  • この例では,原画像に対して2を乗ずる計算をしているので,2倍明るい画像が作成される.
  • すべてのパラメータを入力し,「OK」ボタンを押せばスカラー演算が始まり,スカラー演算後の画像が表示される.
  • 注意


画像間演算

  • 利用する画像数に制限はなく,非常にフレキシブルな画像演算を実行する.
  • 「GIS Analysis」メニューの「Mathematical Operator」の「Image Calculator」選択する.すると「Image Calculator」ウィンドウが開く.
  • 「Operation type」:算術演算か論理演算かを選択する.
  • 「Output image」:出力画像名(画像間演算後の画像ファイル名,新規ファイルとなる.既存のファイルと重複しないように注意.)
  • 「Expression to process」:画像を演算さす計算式を入力する.
    • 画像ファイル名は,[Insert Image]ボタンを押すことによって挿入でき,数値や演算子,関数もボタンによって選択できる.
  • すべてのパラメータを入力し,「OK」ボタンを押せば画像演算が始まり,画像演算後の画像が表示される.
  • 注意

注意:リモートセンシング画像などの原画像は整数値であるが,画像演算によっては実数値が出力される.これは,掛け算や足し算によって1バイト以上のデータが発生したり,引き算によって負のデータが発生したり,割り算によって小数のデータが発生したりすることに対応するためである.IDRISIではこのような実数ファイルの表示に,quant256というカラーパレットが利用されている.quant256は,青から赤に至る色を256段階で表現できる.画像演算によって得られた実数ファイルのうち,最小値から最大値を0〜255番のカラーに自動的に割り当てて表示している.もし,このパレットが気に入らない場合は,パレットを変更したりパレットを新規に作成したりすることが出来る.例えばモノクロで表現するときには,Grey256に変更すれば良い.