ー衛星データの解析ー
衛星データについて 観測衛星にはそれぞれ、観測バンドというものが存在します。バンドとはそのセンサが感知する特定の電磁波の幅を示しており、人工衛星によってその数や観測波長帯は様々です。例えば4つのバンドを持っていれば、一回の観測で4種類のデータが取得できることになります。取得された地球のデータは地上に送信され、様々な補正が行われた後、我々は画像として見ることができます。衛星画像を解析する場合、各バンドにどんな情報が含まれており、どうやってそれを抽出するかが重要になります。 |
![]() |
Landsat_TMの例 ランドサットは、世界で最も利用されているアメリカの観測衛星の名前です。7つの観測バンド(可視域3、近赤外域1、中間赤外域2、遠赤外域1)を持っています。 ここでは、Landsat_TMの衛星データを用いて、簡単な衛星データの仕組みや解析方法を紹介します。 |
|||||||||||||||||||||||||||||
<Landsat_TMのバンド表>
|
||||||||||||||||||||||||||||||
*分解能…衛星画像において、どのくらいの大きさまで判別できるかを表す。 *クロロフィル…植物に多く含まれる物質。 *バイオマス…植物や植物性プランクトンが光合成によって生産(変換)する有機物 |
Landsat_TM 各バンドの画像
|
|
*全てグレースケール(白黒)表示です。 *見やすいように濃度変換してあります。 |
Band1
|
![]() |
|
Band2
|
Band3
|
![]() |
![]() |
Band4
|
Band5
|
![]() |
![]() |
Band6
|
Band7
|
![]() |
![]() |
トゥルーカラー表示 下の画像は高知市付近の衛星画像です。写真のようにリアルな状態で見えます。しかしながら、Landsat_TMの7つの画像にはこのような画像はありません。すなわち、このような自然に近い画像を出すには、画像を合成する必要があるのです。 |
![]() |
画像の合成 人間の目で見える電磁波の領域を可視領域と言います。Landsat_TMのバンドの中でその領域を感知しているのは、バンド1、2、3の3つです。また、人間に見える全ての色はR(赤)、G(緑)、B(青)の3色を混ぜ合わすことによって表示することができます(光の三原色)。つまり、バンド1の画像に青のフィルターを通したものと、バンド2に緑のフィルターを通したもの、バンド3に赤のフィルターを通したもの、この3つを合成することにより、実写に近い画像を再現することができます。 |
![]() |
そのほかの合成例 |
|
フォールスカラー
|
ナチュラルカラー
|
![]() |
![]() |
バンド2→青 バンド3→緑 バンド4→赤 植生が赤く強調される。 |
バンド2→青 バンド4→緑 バンド3→赤 植生が緑で強調される。 |
バンド間演算で植生を詳しく見る 図はバンド間演算によって、植生活性度を算出した図です。植生が多いほど赤く強調されています。逆に水域や都市部など、ほとんど植生がないところは青く表示されています。衛星画像では、各バンドを足したり引いたりする演算が可能であり、特徴抽出等によく用いられます。 |
|
![]() |
![]() |
世界の植生活動の変化
|