変則的な敷地にうねるように施設を配置し、その一部をピロティ や屋上を緑化とすることで、周りに対して「裏表のない」・建物 のいろいろな場所で活動が出来る「リズムのある」・空から見て も楽しむことが出来る「屋上庭園のある」建物を提案する。 屋上緑化や建物に抱かれた4つの庭・ピロティによる視線の抜け による平地林や山々の姿など、建物のどこにいても緑豊かな自然 を感じられることが出来る建物は、まさに邑楽町に相応しい建物 であると考える。

「裏表のない庁舎」

北側にはシンボルタワー、南側には平地林や公園。そういったものに挟まれた敷地に、その両側に開いた裏表のない庁舎を提案する。変則的なかたちの敷地にうねるように配置し、そこに生まれた庭でいろいろな活動を展開し、その活動がシンボルタワー側に、そして公園側に広がっていく。うねるように配置することで広い敷地を余すことなく有効利用できる。

「リズムのある庁舎」

一部をピロティにすることで、平坦な環境にリズムを与えている。そのリズムが公園側からシンボルタワー側へ、またシンボルタワー側から公園側への通 り抜けを可能とし、さまざまな方向からの動線を生んでいる。また視線から遮られず向こうまで通 ることによって、周辺の景観を敷地内へ取り込んでいる。

「屋上庭園のある庁舎」

シンボルタワーからの眺めを考慮して1階の屋上は緑化し、屋上庭園としている。断熱効果 が期待できるほか、2階部分をつなぐ渡り廊下的な役割を果たし、また町民に広く利用してもらうことで、活動の幅を広げるとともに、快適な眺望を得ることができる。

制作者:松本康夫/風間俊秀/吉良有可 協力者:石田計志