Material Design Systems

コンクリートの発熱

 一般に,化学反応が起こるときには,発熱や吸熱を伴う。セメントが水と反応して水和物をつくる 化学反応の場合は「発熱反応」となる。この発熱量を「セメントの水和熱」と呼んでいる。

 水和熱の大きさは,@セメントの化学成分,Aセメント粒子の細かさ,B練り混ぜる水の量,など によって異なる。水和熱は,コンクリートの対して好悪双方の影響を及ぼすので,セメントの性質として 重要な要素となる。
 したがって,使用する条件によっては,セメントの水和熱の影響を考慮してセメントの種類を選ぶ 必要がある。

水和熱の影響

 水和熱の影響には、好悪のふたつがある。
 好ましい例では、寒冷地等における工事において水和熱の発生によリコンクリートが暖まり、凍結することなく施工できるなどが挙げられる。

温度ひび割れ
 一方、悪い例では、大きな体積をもった構造物等において、セメントの水和熱が蓄積される構造物内部と、熱が少しずつ放散して行く表面部分などとの間に温度差が生じ、ひび割れの原因となってしまう。このようにコンクリートの温度上昇が原因となって発生するひび割れを「温度ひび割れ」と呼ぶ。

(1) 水和熱曲線
 実験から得られた式として,t 日後におけるセメントの発熱量 H (t) は,

H (t) = H0 (1-et )

で表される。ここで,
 H 0 はセメントの全水和熱である。プログラムでは,早強ポルトランドセメントを 420J/g,普通ポル トランドセメントを 370J/g,低熱ポルトランドセメントを 270J/g としている。
 α はセメントの種類などによって決まる定数であり,プログラムでは,早強ポルトランドセメント を 1.4,普通ポルトランドセメントを 0.9,低熱ポルトランドセメントを 0.65 としている。
 t は練り混ぜてからの経過時間(日)である。

(2) 断熱温度上昇
 コンクリートの断熱状態における温度上昇は,

で表される。ここで,C は単位セメント量,c はコンクリートの比熱,ρ はコンクリートの密度で ある。プログラムでは,を 2,300 kJ/℃ としている。